第4話 暦の上では…

針子: 今回は暦についてお話しするわ。

Q太: 暦ってカレンダーのこと?

針子: そうよ。旧暦とか新暦とかって聞いたことある?

Q太: 聞いたことはありますけど、詳しくは知らないです。

針子: では、簡単に説明するわね。
旧暦は太陰太陽暦の一種で1892年(明治5年)12月まで、
約1200年にわたって日本で使われていた暦なの。

Q太: すごく長い歴史があって、日本人の季節感もそういうことの伝統なんですね

針子: 季節の移り変わりに合った自然暦なのよ。
新暦は太陽の動きが元になっているの。
これは、グレゴリオ暦をも呼ばれ、世界標準の暦だけど、
日本の伝統的な風習とは季節感にズレがあるのが難点ね。

Q太: へぇー、そうなんですね。
そういえば、梅雨の最中の6月のことを「水無月」というのはなんでだろう?
と思っていました。

針子: それは改暦後の矛盾よ。
新暦と旧暦との季節に1か月以上の誤差があるのに、
それを無視した結果だからよ。

Q太: なるほど。そういうことか。

針子: 新暦のほうが旧暦よりも1か月以上も早く、旧暦時代は5月が梅雨で、
6月はカンカン照りの盛夏だったので「水無月」となったそうよ。

Q太: 1月1日から節分の2月3日までに生まれた人は、なぜ前年の干支になるかも
不思議でしたが、それもこの矛盾によるものなのですね。

針子: そうよ。立春(2月4日)が旧暦では正月だからね。

Q太: いままでわからなかったモヤモヤがすっきりしました。

針子: 鍼灸の治療にも、陰陽五行説という考え方の中に、
この季節の治療法を組み込んでいるのよ。

Q太: 季節に応じた治療法ですか。

針子: そう。例えば、春の陽気に影響されやすい臓器、感情などがあるのよ。
それらを問診と季節の動きを見ながら治療に活かすの。

Q太: まさに、からだ全体を診て全身を治療するのが鍼灸治療なんですね。

針子: そう、根本から健康にしようとする医療なのよ。