第3話 史書に名を残す神医

針子: 今回紹介する人物は、華佗。
鍼灸を知らない人でも知っているかもしれないわね。

Q太: あの、三国志の華佗ですか?

針子: あらQ太君、三国志を知っているの?

Q太: ええ。小説「三国志」での華佗は、関羽の腕を手術するシーンが有名です。
剛胆な武将の関羽は、平然と囲碁を打ちながら手術を受けたんですよ!

針子: 史実での華佗は、関羽の手術を行っていないの。
曹操に殺されたというのは事実だけど、殺された理由は全然違うわ。

Q太: えっ!そ、そうなの?

針子: でも、華佗が麻沸散という麻酔薬を使って、外科手術をしていたというのは
事実みたいね。彼が生きた三国時代は、今から1800年も前だからすごいことね。

Q太: 僕もそう思います!

針子: 三国志の影響で“華佗=外科手術”というイメージが強いけど、
五禽戯(ごきんぎ)という健康体操や輸液(漢方薬)にも明るかったそうよ。
もちろん、鍼灸にもね。正史である『後漢書』方術伝や『魏書』華佗伝には、
その活躍ぶりが載っているわ。

Q太: やっぱりすごい人なんですね。

針子: おまけにひとつ教えてあげるわ。
実は治療のツボの中にも、華佗の名がついたツボがあるのよ。

Q太: ホントですか!?

針子: その名もズバリ“華佗穴”。背骨の両側、第1胸椎から第5腰椎棘突起の
外側五分のところにあるの。一説では、華佗は当時禁忌とされていた背部への
刺鍼を得意としていたようね。

Q太: 史書だけでなく、ツボの名前にまでなってしまうなんて、やはり神医ですね。

針子: Q太君もしっかり勉強してツボに名前がつけられるといいわね。

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